Tuesday 7 January 2014

絶体絶命の愛の詩の物語


ジョン・キーツとファニー・ブロウンの出会いからキーツの死までを描いたニュージーランドの監督ジェーン・カンピオンの映画、『ブライト・スター』を今更だけれどみてみた。2009年にヒットした映画だ。

キーツの詩の美しさ、彼女の幼さから、大人の母子的なあふれるような愛が描かれている感動的なお話。

キーツと恋に落ちるファニーは、凄い美人じゃないけれど、フランスのエスプリを持ったお洒落な、一時代前のフランス人の女性には典型的な裁縫が得意とするエレガントな女性。

ファニーのお母さんは経済力のないキーツとの結婚には反対。他に軍人の結婚相手を探そうと、ダンスパーティーでカルネドバル(男性がダンスを申し込みその順番を記入した女性が持つちいさなノート)を一杯にさせてファニーを色々な相手とダンスをさせていた。

ちょっと離れるが、今もフランスの上流階級では、この様なダンスパーティーがラリーという名前で行われている。親同士知っている家庭同士の子供達の交流を計るためにダンスの先生を家によんで、ダンスパーティーを開く。もっとモダンになっているが、コンセプトは一緒だ。私も偶然スキーの帰りによったお婆さんの家で孫達のパーティーが行われていて、スノーブーツを履いた私は場違いな思いをした事がある。

またリヨンの義理のお婆さんは、101歳になるが、お裁縫が得意で、今でも、何か縫いたいと言い周りはビックリする。その当時のレディーは裁縫がたしなみ? 特にリヨンは絹の町としてしられているので、ダンスのために絹のドレスを何百着ももっていて、お婆さん100歳の誕生日には孫達がその洋服をきてファッションショーをした。ファニーをみてなぜかこのお婆さんを思い出してしまった。

(写真は義理のお婆さん100歳の誕生会の時、オレンジのドレスが彼女、リヨンで)


映画の話しにもどるが、ファニーの裁縫とキーツの詩、二人には全く接点がない、現実的vs. 幻想的、お互い知らない世界の人だから燃え上がる好奇心と愛。

体の健康を害するまで愛を貫き、心から素晴しい詩と言葉があふれだしたキーツ。絶望的な愛、シューベルトのピアノの音と似ている。

カンピオンがこの感情を上手く静かに表現している、今更になってみたニュージーランド監督の映画。冬(こちらはちょっと寒い夏だけど)の夜に見たい映画だ。

ニュージーランドは羊の他に、映画業界が盛ん。ニュージーランド政府が多額の補助金を出している。

隣近所(ウェリントンミラマー半島)はほとんど映画関係に勤めている。

ロードオブザリングやホビットで知られるピータージャクソン率いるウェタスタジオだけでも2000人近くは働いているらしい。

ミラマーには、ウェタスタジオ見学ツアーもありちょっとしたお土産もうっている。町から15分位のバスでこれる。観光バスの名所でもあるらしい。

残念ながらジェーン・カンピオンはピータージャクソンの様に近くに住んでいないが、彼女の「ピアノレッスン」は何度見ても飽きない。

彼女はこのピアノレッスンの最後はやっぱり彼女を沈めておけば良かったとおもっていたらしいが、激しいシーンの後、私はハッピーエンドで良かったと思っている。カンピオンが隣に住んでいたらワクワクしたかもしれない。

私の隣人たちはホビットの次の作品に取りかかっている。

彼らの作る作品も芸術的には優れているのだが、ロードオブザリングのシリーズが長いのでまだ全部ゆっくりとみきれていない。新しいホビットもでた、ニュージーランドエアーの飛行機も新しいホビットカラーだ。ホビットの怪獣ペイントの飛行機は世界中飛ぶそうだ。素晴しいニュージーランドのロケーションでとった映画は景色をみるだけでも気持ち良いだろう。

ウェリントンで色々な映画と本をみるのにとっても便利なのが「図書館」

全ての本とDVDが電子化されていてウェッブでどこの図書館にあるかもわかるし、予約もできる。本は2週間無料、DVDは一週間4ドルととてもお得。ただ延滞すると料金がかかるので、注意。インテリア関係の本は全てこちらでお借りしてみました。カードをつくるのには、パスポートとウェリントン市に住んでいるという証明(手紙とか、電気料金とか、生徒証とか)が必要だ。また学生だったら、大学の図書館も利用できるので便利。

長くなったけれど、ニュージーランド作家の本で最近話題になったのが、ヘレン・ブラウンのクレオ。子供を事故で亡くした後に飼った21年も生きた猫クレオのお話だけど、泣けるらしい。ウェリントンに住み始めてから、友人がこれお勧めといってくれた本だ。

ヘレンは長男の死のあと最初のご主人とは離婚して、今は新しい旦那さんと2人の子供と新しい猫(この子の話もあるらしい)とでオーストラリアに住んでいて、とても愛情あふれた活動的なレディーだ。

話が色々な所に飛んでしまった、文をまとめるのって難しい。



No comments:

Post a Comment