Thursday, 9 January 2014

Pohutukawa - ニュージーランドで一番有名な木、クリスマスツリーはネーティブじゃなかった?!


Pohutukawa (poh-hu-tu-cow-ah)





クリスマス時期に赤い花を咲かせる、ニュージーランド特有のポフトウカワという名前の木は人間が植えたものだった!?

(以下ニュージーランドニュース、結構興味深い)
http://www.stuff.co.nz/environment/9589331/Pohutukawa-spread-by-humans

ニュージーランドにそこいら中に生えている何でもない木がなぜクリスマスツリーとよばれるのか、それはあの赤い花をみないとわからない。

クリスマス時期になるといっせいに赤いきれいな花をさかせその名の由来がやっとわかる木だ。これはクリスマス時期にニュージーランドにいないとわからない。

北島のさらに北にある自然がさらに豊富な島、プーアナイト列島の一番大きな島Tawhiti Rahi(タウヒチラヒ)で発掘した何千年前もの土の資料によると、このクリスマスツリーは後から人間が植えたものだという事がわかった。

人間が来る前の島の木は、花の咲かない木、ヤシの木(ニカウパーム)、コニファーなどマキ科の大木、特にリム(RIMU)が大半を占めていた。

花を咲かせない木の繁殖はポーレンという細かな木の粉がとんで、交尾をして木を増やしていく。花の咲かない木の繁殖にはそれ相応の自然環境が必要だ。

花の咲かない木の葉の裏側には胞子のうという袋があり、その袋から胞子(ポーレン)(杉の木の胞子でアレルギーになる人多し)をだす。この胞子が精子と卵子をもち交合すると前葉体を結成する。この前葉体で受精がおきると、幼植物体が発生する。これが自然に行われるには綺麗な空気と湿気が必要になる、との事だ。

ニュージーランドのシンボルになっているシルバー・フェーンも花を咲かせない。

東京都のシンボルイチョウの木もオスとメスがあり、これといった大きな花は咲かない。

リムは何千年前からあるニュージーランドの木、マタイという木と一緒にもう絶滅の木とされ、今では切ってはいけない木とされとても貴重な素材になっている。

今では高級な木の素材だが、昔建てられた家にはよく使われていた。1927年に建てられた我が家の床も厳重に敷かれたカーペットを引き剥がしたらマタイの床、モダンでないキッチンは全部リムの木で、訪ねてくる人が『珍しい(貴重)ですね』といって帰る。だからちょっとデモデ(モダンじゃない)なキッチンも段々好きになってきた。確かに木を使ったインテリアは心が休まる。

(リムの木枠の窓とマタイの木の床,絨毯をひっぺがしたらでてきた。)


現在、マタイやリムの木はこういう昔の家からひっぱがしてきた木の板が、ヤミ取引きのような状態で売られている。結構高いのでこれもTrade Me(ニュージーランドのe-bay, ヤフオクの様なもの)を注意していると買える。

と、横道にそれたが。
ニュース記事によると、そのタウヒチラヒ島からの土の歴史は、3つに分かれていた。

紀元前230-1280年の人間が来る前の時代、

1280-1823年のマオリ植民地時代、これは、過去千年来に起きた一番大きな1314年のタラウェラ火山噴火の灰から(マオリ人の植民地は大体その頃から始まった)解ったそうだ。

1823年から現在。に分かれるそうだ。

人間が来る前の土にはニカワパーム等が約40%、ニュージーランド原産のマキ科の大木がリム(15%)等を含む木の胞子が30%も見られた。だがその後、人間がきてからはその島からほとんど消えさっているそうだ。

人間がきてからは、燃やした灰やシダ科のフェーンや草(雑草も)がみられた。
1823年のマオリ人虐殺の影響でこの島に人がすむ事はタブーとなり、その後は(残念な事に)パームやリムでなく、Pohutukawa、クリスマスツリーを含む花の咲く木に支配されてしまった。

これはクリスマスツリーや花の咲く木が北島オリジナルだと思われていた事を覆す事実で、これからどうやって本当の原種の木を復活させるかが課題となる。

今このTawhiti Rahi という島には、南オナガミズキリドリが占領している。彼らの巣の穴や鳥ポタポタの毒気は本当の原産のマキ科の大木やパームツリーにはむかずに花のある木、ポフツカワのようなクリスマスツリーに向いている。

今更リムの木や花の咲かない木を繁殖させるには、湿気や環境が許さないらしい。

ニュージーランド原産種の宝庫だと思われていた島の名声はどうなる。

原産だと思われていたクリスマスツリーも人間の手によるものだった。

ニュージーランド人もビックリのニュースだ。

我が家の庭にも一本ポフトウカワがあり、丁度クリスマスに咲いたので『クリスマスツリーがお庭に!』と喜んでいた。

今、我が庭をニュージーランド原種の植物にしようと頑張っている。

が、南アフリカ産のAgapanthus がとってもしぶとい。根っこが太く、コンクリートの壁にしっかりと密集している。花は紫や白でとてもきれいだし、神秘的な大きな花は見ていてうっとりする。でも、これはれっきとした雑草花(weed)だ。ほおっておくとこの花だけの庭になってしまい、原種のリンガリンガなど弱い植物は全部侵略されてなくなってしまう。

このアガパンサスは、トウイが大好きなネーティブな植物、カワカワやハレケケ等にとっては迷惑な植物だ。オークランドなどでは、アガパンサスは植えてはいけないし、2007年植物ペストに認定。ニュージーランドの政府も正式に環境を害するウィード(雑草)として認識している。綺麗だけど、人的に他から持ってこられた植物をニュージーランドは好まない。

ネーティブな植物が植わった庭は、価値がある。

キッチンカウンターも一番高級な素材として扱われているのは、木だ。自然の石マーブルで、流行の御影石(Granit)よりも自然な木の一枚板は手に入らないお値段だ。

(アガパンサスの紫の花と古くさいリムの木でできたキッチンカウンター、白い花は、ニュージーランドでは育てにくいボタンの花、と我が家のプリンス、寅さん(猫))


今住んでいるミラマー半島は、ウェリントンで唯一ポッサムフリーの半島でコミュニティーのネーティブツリー保存策活動が活発だ。

可愛いポッサムもニュージーランドでは自然をあらす敵だ。まあ、『狸寝入り』(=play possum)という位だから可愛いと思っている人はそんなにいないかもしれないが。

私も何回か、そういう活動に参加して地域の親睦を計るついでに何にも解らなかったネーティブツリーや自然について学ばしてもらっている。

Every rose has its thorn. 『綺麗な花には棘がある。』

綺麗だからといって自然に良いとは限らない。

バラは大好きだが、増えすぎるとこれも雑草化してくる。でも他の植物を侵害するまでにはならない、とこれから薔薇を植えていこうと思ってる私は、そう願いたい。

今まで欧州で石のアパルトマン暮らしだった私にとって、毎日新しい事ばかり。

初めて植えたトマトや茄子も花を見た事がないので、雑草かトマトの苗かみわけるのがわからず困っている。家庭菜園も実が直ぐなる訳じゃないので見分けが難しい。

自然保護は簡単じゃない。




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