確かにそうかもしれない。パリに行った時はスーツケース2つだった。
20年近く前に、東京からブリュッセルに引っ越した時は確かコンテナー1つだった。
ブリュッセルからルクセンブルグは、コンテナーより大きい大型トレーラー1台だった。
ニュージーランドにルクセンブルグから来た時もコンテナー1つだ。でも最初は20、今回は40フィート。随分増えたものだ。
応接間のソファーやダイニングチェアー、日本家具など、基本的な家具は日本から持って来たものそのままだが、ヨーロッパにいる時に、陶器類、フランスの家族から代々引き継がれて来た家具類を受け継いだり、
グランドピアノをドイツで購入してしまったり、
随分増えた。
毎回、箱詰めは引越業者さんにお願いしている。一気に多人数できて、ばっと全てをくるんでしまうので、床におちていたゴミも丁寧にくるまれているのにはビックリしてしまう。
確か日本からの箱の数は200近くだったが、今回は380個。気が遠くなった。
一番多かったのは、本!図書館が出来る数だ。
一番苦労したのは、グランドピアノ。
それと飼い猫のシャムネコ。
ペットの輸入については長ーいプロセスがあるので又別の機会に書きたいと思う。
クリスタルグラスや高価な家具を引越しする時は本当に神経をへらす。
海外引越しとなるとなおさら。細かい事は書かないが、必ず見積もりを3社はとって値段が一番安い所ではなく、引越先のサービスの良い所を選びたい。
とにかく気をつかったのがピアノのお引越し。ドイツで購入から(これはピアノメーカー直接だったから余り心配していなかったが)、ブリュッセル、ルクセンブルグ、と3回めだが、毎回一番の悩みの種である。
じゃあ置いていけば。
折角であったこの音、そういう訳にもいかない。ペットと(夫も)同じ。
坂の多いウェリントン。毎回引っ越す度に引越しに簡単な所をと思うのだが、今回もまた坂が、階段が10ステップ。
クレーンではなかったが、総勢7人のスタッフで10ステップは曲がっているのでと、長ーい階段を道から運んで来た。これは私達がお昼時間に、こっそりおこなわれた。
多分、気をきかして。
気がついたらピアノの部屋にもうピアノがおいてあった。
あー、見たかったでもきっと怖かったにちがいない。
2ヶ月近くかかったコンテナー船輸送、何回ピアノレッスンのような事にならなければと願った事か。ピアノ、ピアノ、風でコンテナー船がひっくりかえらなければいいな、とか、色々と心配ばかりはしていられないが、想いがあった。
その間、忙しくしていたが。
ブリュッセルで素晴しいピアノの先生に出会い、上達して弾けないと思っていた曲が弾ける様になったり、子供の頃つまらないと思っていたバッハの素晴しさを教えて下さり、バッハ馬鹿になってしまったり。
若い頃ベルギーのエリザベートコンクールで一位をとられたロシア人のファエルマン先生のおかげでピアノに対する心構えが全く変わった。引越しでレッスンをうけれなくなって約6年。随分と腕がおち、指はもうあの頃のように動かない。先生の指使いの厳しさ。涙が出る位懐かしい。
家購入の際も、ピアノの部屋を頭におきながら選んだ。ピアノ搬入には最適な条件ではないが、眺めがきにいったのだからしかたがない。
ニュージーランド業者にピアノスペシャリストに選んだつもりだったが、ピアノスペシャリストではなくピアノ経験者扱いという事になり、業者の人達の一人という事が事前にわかり、心配になった。
オークランドにあるピアノ業者から専門のピアノムーバーを頼んだ方が良いとコンタクトしたがその日は日本のイベントのピアノ搬入がオークランドであり、駄目との事。
Wellingtonに2人いる優秀なピアノ調律師にきてもらうようにといわれ、それも打診してみる。一人はウェリントン市内ではない。もう一人は忙しいらしい。
結局は近くの調律師にピアノの足をつけてもらった。
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