Saturday, 2 August 2014

ニュージーランド国際映画フェスティバル

ニュージーランド国際映画フェスティバルもありここ数週間、映画を見る機会が多い毎日です。

先月 Dawn of the Planet of the Apes (猿の惑星新作)を3DでみてCGの素晴しさとお話の解り易さに感動、ちょっと過激な暴力シーンは私の好みではないけれど良く出来た作品です。近所の友人たちが作っているという事なので作品クレジットまでしっかりみました。3Dは良いのかもしれませんが、がちゃめの私は眼がちょっとつかれました。

またウェリントンで盛り上がっている What we do in the Shadow  を見てなぜこれが流行っているのか?と不思議に思いました。ウェリントンをベースにしてとられたのでウェリントンでは猿の惑星と同じ位上映されています。ドラキュラやウルフに変身した人間が夜徘徊する暮らしをドキュメンタリー調にしたとてもへんてこりんなコメディーです。人それぞれですが、面白いと思える部分は数点で,最高という訳ではありませんでした(失礼)。

日本大使館でも「のんちゃんのりべん」が上映され、日本のお弁当の素晴しさを実感。倍賞美智子の演技も素晴らいし、日本の映画は見ていてほっとします。渡辺典子さん、角川3人娘とされていたらしいですが、淡々とした演技が下手なのか上手いのかわからない雰囲気の女優さんです。

フランス映画では、Folie Bergere で Isabelle Huppert の歳(61歳?)をかんじさせない演技と可愛らしさでパリの魔力と熟年フレンチカップルのあり方を学び=『沈黙は金』ということわざも思い出しました。


同じ熟年女優のカトリーヌドヌーブ主演の、In the courtyard (dans le cour)  ではパリに多いいつも何かの心配をかかえる女性達の心の葛藤や心配から目を背ける夫。引退した女性と親身になってくれる管理人、社会から切り離された二人の温かい人間関係が描かれ、考えさせられました。



この二つのフランス映画、東京もそうだけど、パリ大都会のリズムについていくのは大変な事,ノルマンディーの田舎からでてきてパリの魔力にとりつかれる奥様(Folie Bergere)とパリで引退した女性二人の生き方、どちらかというとイザベル演ずるブリジットに私は共感がもてます。というのも今私は世界のはてニュージーランドウェリントンにいるので、パリに住むリズムを懐かしく思う気持ちもありますが、また住もうとは思いません。自然の豊かさに囲まれ満足しているからです。でもパリは大好きです。

家畜農業を営むノルマンディーの田舎から出てくるBrigitte(Isabelle Huppert)がパリの有名な生地マルシェ、サンピエールでカーテンの生地を大人買いしたり、実践販売で魔法の布をかったり、ホテルで出会った外国人とアバンチュールに落ちたり世間知らずだけれど、心の奥にノルマンディーの豊かな自然の土台が感じられます。

欧州では知られている事実だけれどフランスの農畜産業者は、政府からも多大な補助金を受けとても裕福な生活を送っています。季節性はありますが、休む時はどーんといきます。以前私達がやっととれたお休みでエジプト砂漠アドベンチャーツアーで出会ったフランスの農畜業のカップルは、二人でその後、サファリとモロッコなど世界中を回るツアーにも申し込んでいるとの事。季節業なので休む時は一遍にといっていましたが、相当お金に余裕がないと出来ない技です。

また昨日は、ベルギー人のファッションデザイナー、ラフシモンズがクリスチャンディオールで働く所を撮ったドキュメンタリー映画、Christian Dior and I を見ました。フラマン人独特の頑固さ、アントワープの有名なファッション学校バックから出てきたアーティスト、ベルギーではフランス語(=ワロン語)をはなさなくてもいいけれど、パリのクリスチャンディオールではさすがにフランス語を話さないと駄目というちょっとした苦痛も現れています。

本当は(多分)フランス語がわかるのだろうけどはなさないフラマン人は沢山います。ブリュッセルで働いていた時、そういう人を何人も見てきました。彼らの会話は片方はフラマン語、返すのはフランス語、会話になっている所が変でした。ベルギーでは不思議な言葉戦争があります。

クリエーティブディレクターになったラフシモンズ、彼がデザインコンセプトを写真で表し、それを実現かしていくスタッフ達、なんだか今私がやっている建築家やキッチンデザイナーにコンセプトを伝えて現実化してもらう、という作業ににています。短期間で実現した素晴しい芸術、予算オーバー面はまねしたくないけれど私もリノベーションを早く頑張らないといけません。

ラフの素材を重視した頑固なやり方に、フランス人は辟易。残業(土日に働く事も)をしてまで「週35時間就労」が普通のフランスにはない世界を描きます。年間35万ユーロを使う大切なお客様のクレーム処理にニューヨークに行ったスタッフを「僕の言う事を一番に聞け」といって叱ったり、無理な期限を「挑戦だ!」といったり、「キャットウオークは歩かない」「プレスの写真もお断り」と言って検挙に見せておきながら出番が待ちきれないで前に出て行ったり、ドキュメンタリーを撮らせたり、自分の写真を有名人ととらせたり本当は目立ちたがり?自分はディオールの復活となんだと見せようとしている所が、今のディオールのサイトを見ても感じられます。そんな所が以前ベルギーで出会ったアントワープ人と似ていて苦笑してしまいました。
復活したBARジャケット
彼のやり方に全ては共感できませんが、最後に出来た花一杯のファッションショーは、華やかです。このお花の装飾は、ベルギーのゲントで1774年からあるお花ショーを思い出しました。このお花ショー、私達が住んでいた時は5年に一回だけ行われ2回だけみにいけました、次のショーは2016年におこなわれるそうです。もし機会があったら素晴しいと思います。それが再現された様なショーは服よりも圧巻でした。


ショーではシャロンストーンやイザベルヒューパートも最前列にいました。有名なアントワープファッション学校出身のアーティストは90年以降とても多いです。彼自身はそこをでていなくても強力なバックを得ています。今は周りにもスタッフを集めてアントワープ色を濃くしています。

ベルギーに住んでいた2002年、ワールドカップイベントの一環でアントワープ王立芸術アカデミーのファッションデザイナーと一緒に日本にいきました。その頃パリのボンマルシェにも入ったアントワープ6人組の服がなんでこんなに高価なのかしらと不思議に思っていましたが、ディオールのクリエーターにも採用されるなんて、アントワープ凄いです。と、アントワープ人はさぞかし鼻が高いでしょう。


さて、まだ続く国際映画フェスティバル、今日は「かぐや姫」を見に行きます。アルプスのハイジで有名な高畑勲監督、数百名から選ばれた声優の朝倉あきさん、期待が高まります。
かぐや姫声優の朝倉アキさん、芸能活動にピリオド?

ジブリ王国をとったドキュメンタリーも来週末公開があります。また2−3本見に行く予定ですが、台風がきているウェリントン、映画を楽しむにはちょうどいい季節です。

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