長年住んだ欧州からこちらに来て半年たち、「スペースの使い方の違い」について学んでいます。自分メモのつもりで忘れかけているフランスの普通を書いてみました。
お国違えば、文化が違い、部屋の呼び方も使い方、コンセプトも違います。
le salon avec cuisine ouverte = open kitchen = オープンダイニングキッチン
台所,ニュージーランドはオープン、フランスでは別部屋がほとんど。オープンキッチンは「サロンと一緒のオープンキッチン」と長く説明文になっています。そういうコンセプトがなかったからでしょう。
la cuisine = kitchen 台所
le salon = lounge or living room 居間 リビング
la salle a manger(食べる部屋) = dining room 食堂 ダイニング 台所とは別の所
la salle de bain (浴槽のある部屋) = bathroom お風呂場
le bibliothèque = library 書庫、勉強部屋
les toilettes = toilet お手洗い
la chambre = bedroom 寝室
les pieces = rooms 部屋
le coin repas (食事の角)= breakfast corner 家族用食卓(台所の中)
foyer 温かいお家、home sweet home.
entree = entrance 玄関
couloir = hallway = 廊下
フランスの家の言い方も、いくつかあります。Maison, Foyer, Chateau, Chalet, etc...
フランス語の部屋の言い方は、それぞれの用途がはっきりしている事が多いです。「◎◎の部屋」Salle がお部屋。
でもリビングだけは、
Salon サロンです。
サロンに人をお呼びするのが大好きなフランス人です。サロンは日本の床の間にあたり綺麗にしていつ人を御呼びしても良い様な雰囲気になっています。床の間に掛け軸がかかっているような正式さも含めています。サロンは「お家の顔」です。
玄関の後に通されるお部屋がサロンです。その時けっして台所は見えません。
ニュージーランドではキッチンが見えるのが当たり前。キッチンが「家の顔」なのでしょうか。
日本の家の顔は、玄関でしょうか?それとも床の間?最近は解りません。
フランスのお家では、家にお呼ばれする事が最高のおもてなしとなります。
初対面だったら、お茶やアペリティフ、お食事にはお呼ばれしないかもしれません。
でも食べる事が大好き、気軽に色々な形の「お呼ばれ」を楽しみます。
この場合、大抵「サロン」と呼ばれるお部屋で行われます。
サロンに、用意したお菓子とお茶で歓談を楽しみます。お花も飾ります。
Mondaniteと言われる社交ゴシップやお喋りをするのもこのサロンです。
サロンでは、日本でいう掛け軸や生け花を褒めるのと一緒、フランスでは、絵やお花、美術品を褒めたりして家の雰囲気を楽しみます。
夕方から夜の初めにお呼ばれするアペリティフの場合は、お客様が来てから、何を飲むか聞いてサロンにあるお酒の棚から、好みの飲み物をお作りしてお出します。
ホストは、ウィスキーを氷と一緒に飲む人もいるかもしれないので、氷やソーダ水はサロンに用意しておきます。大概キッチンは別の(遠い)場所にあるので。
ニュージーランドではキッチンがサロンにあるので事前に用意する必要がありません。
食前酒ですが、お食事まで御呼びしていない場合は、大体お客様のお好きな飲み物をリクエストされてからお出しします。付け合わせにナッツやチーズ、本当に軽いものを用意します。
もしディナトワー(dinatoir)と呼ばれる、軽食もでるお呼ばれだと、プチフー(petit fours sales)と呼ばれる小さいシューの上にチーズやサーモン、フォアグラを乗せたカナッペやパンスープリーズ(pain surprise 軽いサンドイッチ)などの軽食も出たりします。綺麗な手巻き寿司など喜ばれます。
正式なディナーのお呼ばれと違うのは、サロンでそのまま食べ続ける事でしょうか。
アペリティフだけの場合、お客様は大体2時間位したら、「そろそろ」といって帰ります。時間帯は6時位から8時半位までのお呼ばれでアペリティフの場合は、遅くまでいてはいけません。
もしディナーにお呼ばれした場合は、まずアペリティフ(食前酒)から入ります。シャンペンが振る舞われたり、お客様の好みによって軽い一杯が勧められます。ナッツやオリーブと軽いお飲物です。
ここまでがサロンで、初対面がいたら紹介をかねて、ゆっくり皆が集まるまで「次のステップ」への期待を高めます。
さてディナー。ホステスが、「passez a table」といって綺麗にセットされたテーブルに移ります。出来れば、セットされたテーブルが別のお部屋、見えない方が、お呼ばれされた人達への期待を高める事ができ、ちょっとした感嘆を得る事ができます。
フランスのディナーは、l'art de la table といって一つの「美学」になっています。クリスタル、カテラリー、お皿、それぞれお食事のメニューや季節にあわせて、ナップ(テーブルクロス)や食器をかえ、趣向を凝らします。これはフォーマルなディナーの時は勿論、家族だけや親しいお友達をお呼びする時にも、気をきかせます。
春だったら桜の木をきってどーんとテーブルに置いても良いし、秋の紅葉を散らしても、それこそ折り紙をおったものを置いても、試行錯誤されます。
これは日本の和食器もそうです。おせち料理はお重にという感じです。
ディナーセットが素晴しいからといっても食事の席はまったくカジュアルな運びでクールにいつもの通り行われます。別に正装して行く必要は全くありません。普段着です。ノエル(クリスマス)でもない限りネクタイはしません。
ニュージーランドではカジュアルでも、夜に呼ばれると正装やドレスをお召しになっていらっしゃる方もいるという事をききました。本当かしら?文化の違いを感じます。
フレンチにとって、お食事に御呼びするという事は、前日から、席順(ホストが決めます)、メニュー、お皿やテーブルクロス、事前に色々と考えてお呼ばれされる方も呼ぶ方も楽しみます。親しい仲だったらメニューをきいてそれに合うワインを持っていく場合もあります。ただとっておきの赤をあける時は、事前にデカンタにいれておく必要があります。お食事にワインの一本、チョコレート、お花のお礼は喜ばれます。
お料理は別に全部手作りでなくても、ピカール(picard.fr)という優秀な冷凍食品を併せても全くかまいません、美味しいお料理であれば買って来た物を組み合わせて構いません。ピカールの冷凍食品、美味しくてとっても便利でした。
パリでは有名どころや誰も知らない所の美味しいケーキやチョコを持っていくのが流行っていました。お料理に時間はかけたくない、でもl'art de la tableは楽しみたい、賢くお惣菜を組み合わせて出すのも感心されます。美味しいもの発掘情報は貴重です。
おもてなし文化、ちょっと日本と似ていると思います。
フランスのお食事は、美学、美術品です。日本の懐石もそうですが、目で楽しみ、舌鼓を打つ、お食事の哲学は日本文化と共通しています。
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私も大好きなテーブルクロス、お皿にお揃いがあるとは知りませんでした。 |
フランスでも家が狭くなり、サロンの中にあるキッチンも多くなってきました。
キッチンは一体化した家具の様になっています。
お茶やレストランへのお呼ばれはありましたが、
まだニュージーランド人のお家のディナーにお呼ばれした事がないので、本当の文化の違いは良く解りませんが、キッチンのレイアウトからいって l'art de la table とはとても違う様な気がします。
ニュージーランド人は表面的にはオープンでも、実は少しシャイなのかもしれません。台所をいつも綺麗にしておくのは大変。キッチンが家の一等地にあるせいか、片付けにも時間がかかり孤立した「サロン」がないので、お家に人を呼ぶのには不便な構造かもしれません。
と、考えるのはまだニュージーに慣れていないせいでしょうか。
まだ色々と文化のギャップを学んでいる所です。
フランスの家にはそれぞれ名前がついていました。
お家は、メスニー La Mesnie 昔のフランス語で家という意味だそうです。
山の家は、La Beliere オスの羊という意味、ヤギがいるから。
夏の家は、ジラドー Lou giradou (= girouette) 風見鶏が屋根の上についていたから。
名前がなくてただ maison d'ete 夏の家, maison de compagne 田舎の家とも呼ばれている事もあります。フランスの休暇はとっても長く家族が別の家で集まる時でもありました。ニュージーランドからは遠くすぎていけません。
さてニュージーランドのお家はなんと名付けましょうか?
このシンクがきました。
Blanco Modex 60 sink
http://myparttimeparislife.com/2013/09/20/la-cuisine-parisienne/