Saturday, 14 February 2015

ニュージーランドのビルダーさん 家作りの基本は経験で

キッチエリアのレノベーションが始まってから一週間たちました。家の中の壁はすっかり取り払われ、見渡しが良くデザイン想像がしやすくなりました。

ビルダーさんがいかにも若いビルダー見習い弟子を連れて来たので、歳を聞くと17歳!中学を出て直ぐビルダー見習いになったそうです。ビルダー自身も17歳から始めて経験豊富です。教師をしていたという水道屋さんもいますが,若い頃から技術学校や見習いをはじめるトレードマンが沢山います。

大工さんに学歴は必要ありません。でも図面を読む能力、考えながら木をいじる技術には才能と勉強が必要です。最初に図面をしっかりコピーして勉強してきたようで、エンジニアやデザイナーに電話をして現場との違い(=図面では見落とされていた柱がありました)を連絡して新しく計算をし直したりと確認していました。建築家やサプライヤーと連絡をとりながら、素材の強度や見た目をクライアントである私に確認した上でオーダーをとるという丁寧なやり方は安心感を持たせます。

最初の一週間はクライアントとの信頼を作る大切な期間だからと自分でも言っており、釣りのお話や何が私達にとって重要かなどを確認しながらこれからの家作りに専念してもらいます。

ビルダーは沢山います。大切なお家のビルダー選びは簡単ではありません。

こちらの大工さんにはマスタービルダーの国家資格があり、技術学校やセミナーの参加義務があります。勿論経験もないとこの資格はとれません。資格の段階もカーペンター、サイト1、2と棟梁格の資格と上に上がれば上がる程、勉強もしなければいけませんが大きな仕事を任せられます。

大きな仕事をする様になると弟子も沢山傭い自分は現場に殆どでないで他の作業員に仕事をさせる様になります。ただアウトソーシングが進むと何かあった時の現場責任所在追求が難しくなります。

平成建設の秋本久雄さん著「高学歴大工集団」という本にもありましたが、誰が建築の責任をとるのか、アウトソーシングばかりというのは不安です。小さくても自分の責任で作るマスタービルダーが弟子を育てていくというのは建築業では大切なことです。

サッカー選手やラグビー選手同様、才能と経験がものをいう世界。学歴よりもマルチな技術を要求されます。

怪我や天候に左右されて仕事が出来ない等のリスクはありますが、真面目なビルダーさんは高収入でライフスタイルを楽しんでいます。水道屋、電気屋はさらに特殊業種なので専門技術料としてもっと時給があがります。

なかには一攫千金を狙うビルダーもいて、古い家を買い、直しては売るという不動産業的な投資をしています。そういう自分たちで家を直す人達は"Do-it-upper" (デューラッパー)と呼ばれ私も色んな人に「自分で住むのそれとも売るの?」と聞かれました。

勿論自分で住みます、というとその人たちの真剣さが変わってくるというのも変ですが、時間を優先するのか、質を優先するのかなどの価値観の違いを最初にコミュニケーションするのも大切です。

どうやってビルダーを選んだかって?それは以前も書きましたが、実際はこれから結果がでてからお伝えします。


家の壁リムの木を取り除いています
木を大切にする、下記の本も読んでみたい一つです。

木に学べ 法隆寺・薬師寺の美(小学館文庫)








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